当たり前のように私の側に居続けてくれた人。




当たり前すぎてその存在が私にとって大切で愛おしい存在だと気づけたのはほんの数日前の話。








だから私は伊織くんじゃなくて、京治を選んだ。








「このケーキ美味しいっ」






「よかった、気に入ってもらえて。花奈が好きそうだなって思って買ったんだよね、そのケーキ」








今日は恋人たちのクリスマス。




晴れて私たちも浮気相手から恋人になったので、こうして京治の部屋でクリスマスを共に過ごすことになっていた。






京治が買ってきてくれていたケーキを口いっぱいにほうばりながら幸せいっぱいの表情を浮かべる私をただただ優しい微笑みで見つめる京治。








ドキンッ







「あ、ありがとう、京治」







その微笑みにやられて視線を逸らしながらお礼を言う。







たまに見せる京治の微笑みは相変わらず破壊力抜群だけどその微笑みが最近はたまにではなくよく見せるようになったからますます心臓に悪い。