「僕だけの花奈じゃない花奈なんていらないよ」






「え」







心臓が加速する。




伊織くんの冷たい声が右から左へただ意味を理解することなく抜けていく。







「別れよう。もう、花奈は僕の彼女じゃないよ。バイバイ」






最後にいつもの愛らしい笑顔で。




伊織くんはそう告げた。






頭が真っ白になる。




わ、別れる?



何で?





状況が理解できない。