「墓穴、堀った…?」
「は?」
「うっわ…!お前最悪だ…!」
「は…はあ!?」
突然吉田くんに最悪だと言われ、カチンと来る私。一体全体、何だっていうんだ…!
「お前…。」
「な、何よ…。」
立っている吉田くんと、しゃがんでいる私。
ただでさえその綺麗な顔に、いつも圧倒されているというのに、こうも目線の差があると、いつも以上に圧倒されてしまう。
じりじりと距離を詰めて来る吉田くん。私はその場にお尻をついて座り込み、少しずつ後ろへと下がるが、すぐにそれは阻止された。
…壁。ひんやりと冷たくて硬い壁が、逃げようとする私の邪魔をする。私は、何でこんな所に壁があるんだ!と理不尽に怒る。
