いったい何をする気なんだと思っていると、吉田くんは私の前でしゃがみ込み、「絶対に言うなよ。」低い声でそう言った。



吉田くんの手が壁をつく。顔のすぐ横にある男らしい手から、真剣な表情で私を見る吉田くんに視線を移し、「は…はい」頷いた。



正直、何を言うなと言っているのか私にはわからないけれど、彼の威圧感に負け、私は頷くことしか出来なかったんだ。



「…信用出来ない。」

「は…はあ!?はいって頷いたじゃん、私!」

「お前が周りに言いふらさらないように、俺はお前を監視するからな。」

「こ、怖いんですけど…!?」



冗談でしょ!?と聞く私に、吉田くんは本気だと言った。確かに目が本気(マジ)だ。



――イケメンは苦手だ。女のことをどう思っているかわからないから。ソレは、彼…吉田日々輝も同じ。



出来れば関わりたくないと思っていた人物ほど、関わってしまうのが私の人生というものなのか…。



もしそうなのであれば、私の人生は絶望的だ。