夕日に照らされ、オレンジ色に染まる校内には、吹奏楽部が楽器を拭く音や、外で練習する運動部の声が響き渡る。
今日も頑張ってますねえ…、なんて他人事のように思いながら、私はじりじりと蒸し暑い廊下を歩いていた。
「あー、あっつ…。何で学校に携帯を忘れるかな、私は…。」
帰り道。可愛らしい猫が擦り寄って来た為、写真でも撮ろうかと思い、鞄の中に入れていた携帯を取り出そうとして気づいた。
あれ?ない…と。ガサゴソと携帯を探している間にも可愛らしい猫は何処かに行ってしまい、私のガックリ感は2倍に。
今日の古典の授業があまりにもつまらなさすぎて、先生にバレないようにこっそり携帯をいじっていたのが凶と出たか…。くそう!
