気がつくと、涙が出ていた。

私はもっと早く、生きてる間にこのことに気づくべきだったんだ。

自分なんて、いてもいなくても同じだと思っていた。
自分ひとりがいなくても、地球は変わらず回るし、季節も変わっていくだろう。
だけど、それでも私はひとりしかいなくて、私の代わりなんて誰もいないということに、もっと早く気づいていれば。

きっと、私にしかできないことがきっとたくさんあった。
私には可能性がたくさんあったんだ。
なのに、私はそれを無駄にしてしまった。

自分の命を、もっと大事にすればよかった。
それはつまり、自分の可能性を守るということでもあったんだ。

死んだと気づいたときに、私は『後悔』
という言葉をつかったけれど、今思えば私は本当の意味で後悔なんてしていなかった。

まだまだやりたいことがあったのに、とそれしか思わなかったけれど、本当の後悔はそれだけじゃない。

色鉛筆の一本をなくしてしまっても絵は書けるけど、そのなくした色は他の色では出せないのと同じで。

私には私だけの。

色があったんだ。

私にも。
意味があったんだ。