「須川先生」


私はこの学校ではそう珍しくもない、黄金色の髪をした須川充弘(すがわみちひろ)その人に声を掛けた。


「んー?あぁ、斉藤か」

「昨日は助かりました。ありがとうございます」

「いや、ちょうど通り掛かっただけだから、さ」


そう言ってくしゅっと先生は笑ったけれど、私はそれが「嘘だ」と知っていた。

須川先生がサクラ生に絡まれて困っている私を助けてくれるのは、これが初めてじゃない。

いつもいつも何処から情報を入手するのか、私が告白される時は先生が駆け付けて見守ってくれている。



……ニヤニヤしながら、だけど。




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