カーテンは閉まっていなかった。薄いブルー。

お兄ちゃんはわたしにベッドを指さして
もういちどいう。

「ここにすわりなよ」

わたしはこくりと首をふる。
お兄ちゃんはそういうと棚からLPを数枚出してきた。

わたしは首に巻いていたマフラーをほどく。
お兄ちゃんはそれをわたしの手から受け取ると、
きちんとたたんでベッドの片隅に置いた。

そこに座って見るとお兄ちゃんの部屋には本棚があった。
わたしの背よりも高い。幅はベッドの長さと同じくくらいかな。

そこに目一杯に文庫本が入っている。

恐ろしいほどの本の数。