MAYBE TOMORROW

「こっちでひとりで聴くかい?」

お兄ちゃんはオニイチャンの部屋の前でわたしに訊く。

わたしは首を横にふる。

「そっちで聴く」

あとから思い返せば赤面する。
わたしは大胆にもお兄ちゃんの部屋を指さしていた。

「そう」

お兄ちゃんはしばらく黙ったまま。でも、こういってくれた。

「じゃあ、そうしよう。でもそれはいちばん最後に」