MAYBE TOMORROW

さっきまで隠れていた月が顔を出して足元を照らした。

「もうすぐだよ」

それから五分ほど歩いて階段を上って、
そしてお兄ちゃんは部屋の鍵を開けた。

「やっと着いた。引っ越しのとき以来かな?」

お兄ちゃんはそういってギターを床に置いた。

「こっちがあいつの部屋だよ」

お兄ちゃんは遠慮がちに黙って立っているわたしに部屋のドアを開けてくれた。