MAYBE TOMORROW

「走れば間に合うけど、どっちみちそのあとの乗り継ぎがない。
歩いてもそんなに遠くないから」

お兄ちゃんはそう言って
「歩ける?」
とわたしに訊いた。

「大丈夫」

わたしはそう答えた。

夜の風はちょっと冷たいくらい。でも震えるほどは寒くなかった。

「歌、ありがとうございました」

わたしはさっきのお礼をいう。お兄ちゃんは照れる。