MAYBE TOMORROW

お店を出るとそこはあたりまえに四月の終わり。
けっして暖かくはなかった。

わたしと玲奈の合格祝いの日だ。

お兄ちゃんはわたしに自分のマフラーをかけてくれた。
わたしが編んだ、いまだに使ってると言ってくれてた「あのマフラー」だ。

それはわたしにとって夢のような時間だった。
でもそれはあっという間に終わった。

時間にしてわずか三分。

お兄ちゃんはわたしの希望を叶え、歌ってくれた。

「MAYBE TOMORROW」を。