お兄ちゃんはそういった。
マイクに向かって、とても小さな、ささやくような声だったけれど、
まちがいなくそういった。そういってくれた。
そしてお兄ちゃんはギターのピックガードを叩いた。
持っていたピックで、四回。
それが、四月の四週目の金曜日。二十四日。
「お兄ちゃんとはじめて逢った日」からちょうど六年がたったのだった。
マイクに向かって、とても小さな、ささやくような声だったけれど、
まちがいなくそういった。そういってくれた。
そしてお兄ちゃんはギターのピックガードを叩いた。
持っていたピックで、四回。
それが、四月の四週目の金曜日。二十四日。
「お兄ちゃんとはじめて逢った日」からちょうど六年がたったのだった。


