MAYBE TOMORROW

オニイチャンはそう言って自分はステージのマイクの位置を調整し始めた。
もちろん、お兄ちゃんもだ。

いちど緩めたギターの弦を再びチューニングする。
野口くんは何やら難しそうな機械をいじくりはじめた。

ミキサーとかいうやつだ。

「ちょっとマイク頼む」

そのうちに野口くんにそういわれたお兄ちゃんがステージの
マイクをテストする。

四つあるマイクのうちの、歌を拾うほうだ。

「もうちょっと上げる?」

野口くんが訊く。お兄ちゃんがオニイチャンのほうを見る。