MAYBE TOMORROW

お兄ちゃんはしばらくその手触りを楽しんでたようだったけど、
急に思い出したように「ちょっと、待ってて」
といってお店の奥に入って行った。

でもすぐに戻ってくると、わたしに「はい」
といって小さな本?を手渡す。

「ごめん。こんなもんしかない。せめてものお礼。マフラーの」

「本?」

「うん。さっき読み終わったばかり」

カバーがしてあるので何の本だかわからない。

「見ても平気?」

「うん」

わたしはお兄ちゃんにことわって表紙をひらく。