MAYBE TOMORROW

「これ、カセットのお礼です。遅くなってごめんなさい」

お兄ちゃんは驚いたように「ぼくに?」といった。

「はい」

「お礼なんて、いいのに。たいしたもんじゃないし」

お兄ちゃんはとても恐縮してる。わたしもとてもはずかしかったけど。

「マフラー。自分で編んだ」

「マフラー?」

「うん」

「あけても、いいの?」

「はい」

お兄ちゃんはゆっくりと、そして丁寧につつみをひらいた。
なかからひょっこりとマフラーが顔を出す。