MAYBE TOMORROW

わたしがそうお願いするとお兄ちゃんはしばらく
考え込む仕草をして試案にふける。

わたしはお兄ちゃんの顔を斜め下から見る。

冬だから?お兄ちゃんは記憶の中よりもさらに色が白かった。
髪の長さは少し長くなってるかな?

これも、冬だからか。

わたしは一年以上も逢えなかったことが嘘のようにも思えてきた。

そんなわたしの「こころの中の動き」など知る由もなく
お兄ちゃんは右手の指を口にあてていたのだけれど、
やがて「うん」と首を縦にふる。

そして話し出す。

「あるひとがね、失恋しちゃうんだ。
『さびしくてかなしい歌が聴こえてくるよ』って。
出だしの『リッスン トゥ ア ロンリーサウンド』ってとこ。