MAYBE TOMORROW

「うん」

「元気だった?」

「うん。なんとか。それでカセット、ありがとうございました」

「カセット?」

お兄ちゃんはなんのことだかわからなかったようで首をかしげる。
もう忘れているのかも。わたしに、わたしたことを。

「MAYBE TOMORROWの」

お兄ちゃんはやっと思い出したように「ああ~」とうなづく。

「ずっとお礼がいえなくてごめんなさい」

お兄ちゃんは斜め上からわたしを見る。やさしいまなざし。

「ちゃんと、録音できてた?」