どれくらい、時間がたったのか。


ふと気になり、時計のほうへと視線を向ける。

「...えっ、もう10時か...。」


うちの部は、ほかの部に比べ残業は本当に少ない。

もちろん、仕事はたくさんあるのだが、真面目にこなしている人が多い。それに一般職のほうが多い総務部では、残業が日常的にあるわけではない。

ましてや10時まで、なんて。



「...帰ろう。」

かけておいたコートを手に取り、カバンを持つ。

そしてしっかりとデータを保存したのを確認して、シャットダウンの文字をクリック。