はやく気づけ、バカ。



(...まさか...?)


まさかと思い、お隣さんの方へと首を向けるとそこには、



「え、お隣さんだったんですね。」


はは、と笑う例のイケメンがそこにいいた。



(...まさか、お隣さんだとは...)


「本当ですね、びっくりです。」


口に手をあて、そういうと、


「あ、名前、教えていませんでしたね

俺のことしっていますか?」


鍵穴の方を見ていた顔が、スッとこちらを向き、言った。


「...いえ、知らないです、すみません。

名前、伺ってもよろしいですか?」


それに対し、いつも通りのよそ行きの対応をすると、


すこしムッとした(というよりもムッとしているように見える)顔で、


「真島です。

あなたは...と、甘利さん、ですね。」

(どうしてわかったんだろう私の名前...。)

ジーっと少し疑いの目で彼を見つめると、

ははっ、と笑いながら「プレートですよ。」

と私の部屋のプレートに指をさしていった。



その時の彼のが、あまりにもくしゃりと笑うから、

なんだか、ふいに好きだなあと思った。