梅雨に濡れるカラダ


聞きたい事が山ほどあるのにあたしは、何も聞けずにただ立ちすくむ事しかできなかった。

お母さんが出ていってから、あたしと鈴を男手ひとつで育ててくれた。

あたし達にこれ以上苦労をかけないように、お父さんは今頑張っている。

信じてくれ。

あの時のお父さんの顔と声が、今でも脳裏に焼き付いている。

「あんな顔で信じろって言われたら…何も言えないじゃんっ…」

あたしは震える拳をトレーナーのポケットに隠した。