初めてお母さんとキッチンに並ぶ
お母さんは冷蔵庫からレタスとトマトとキュウリを取り出し、洗ったレタスを手でちぎっている
その横でお米を洗い炊飯器にセットして炊飯ボタンを押す
「お母さん、サラダにツナものせよう!」
冷蔵庫の横の棚からツナ缶を取り出すとキュウリを切り始めたお母さんは「いいわね」と賛同してくれた
お皿にお母さんがちぎったレタスをのせて、キュウリとトマトを均等にのせていく
最後にツナをのせて出来上がり…だが
「ツナ缶てどうやって開けるの?」
私の言葉にお母さんも固まる
二人してツナ缶の開け方がわからず、じっと缶を見つめる
プルタブが付いているからここから開けるのだろうけど…いつも食べるの専門で開けたことがない
「ぷっ」
キッチンの入口から仕事から帰ってきたこうちゃんが顔を覗かせ笑っていた
「こうちゃん!おかえりー」
「浩介くんおかえりなさい」
救世主の登場に安堵する私とお母さん
「ただいま。香織さんもおかえりなさい」
そう言ってダイニングの端っこにカバンを置いてその上にスーツのジャケットを脱いでのせる
ワイシャツの袖を捲りながら洗面所に入っていき、手を洗い戻ってきた
「あとは僕がやるから、2人はテレビでも見てて」
そう言って私の手の中にあったツナ缶を取り上げプシュっとプルタブを上げて蓋の真ん中に置いた親指を支点にツナ缶の蓋を華麗に剥がす
「「おおー」」
目の前で開けられたツナ缶にお母さんと2人で感嘆の声を上げる

