視界の隅で驚いてたはずの京子は、いつの間にかニヤニヤしてる。
面白がってる、
この状況を。
どう見ても面白くない状況を。
こいつ…あたしに負けず劣らず性格悪いと思うんだけど。
案外可愛い顔してる綾ちゃんなのに、すげぇ口が悪い。
周りの人も呆然としてる。
セミロングの茶色い髪を振り乱しながらーー、
「ーーは?」
今何て言った?
あたしが叶斗に近づいた?
「は?じゃねぇし!あんたのこと気になるからって別れようとか言われたんだけど!」
「…」
「昨日あんたと叶斗が喋ってるとこ見たって聞いたんだよ!別れたくせに今更惜しくなってんじゃねぇのかよ!」
よくもまぁ。
「叶斗はもうあたしの彼氏なんだけど!まじうぜぇ!」
すげぇ口が悪い綾ちゃんは、
頭もすげぇ悪いらしい。

