「......怒ってない」



こう言わざるおえない状況。



そう言えば、鳴海くんには笑顔が戻る。



表情がコロコロ変わって忙しいヤツ。

でも、見ていて...嫌ではないかも。



「ふーん。それなら、眠たいなら寝ればー?まあ、授業中に寝て怒られるのは北山さんだけどー」



私が怒っていないとわかった途端、これだ。

口だけは随分と達者。



「あーはいはい。私の睡眠の心配をして下さり誠にありがとうございまーす」



黙っていれば良いのに。

ま、私には関係ないことだけど。



その後なんか隣で喋っていたが、相手にせず前を向いていたから何を言っていたのかは分からない。



こんな、面倒くさい鳴海くんの隣なのに。

どこか、これからの学校生活にワクワクしている自分がいた。