逆に隣にいたら、ただの鳴海くんの引き立て役じゃんか!!



てか、鳴海くんのファンは多いはず。

毒舌だが、容姿は文句のつけ所がないほどの美形。



だったら、今の私と席を交換してくれる人だって沢山いるはずだ!!!



「せんせー!!私誰かと席交換したいんですけど」



「なんだ、北山もか。それならいいぞー」



担任の了承はすぐに貰えた。

その時、隣から〝えっ?〟みたいな声が聞こえたが空耳だろう。



クラスの女子は私と席を交換する気満々。

あちらこちらで話し合いが開催されている。



「鳴海くん、よかったね」



「ええ、ちょ、本気で言ってるの!?」



「は????」



本気もなにも...鳴海くん、アンタが言い出したことじゃん。



「本当はボクの隣が良いんじゃないの?」



「違うし」



「......違う...の?」



あっ......

即答したのか良くなかったのか、否定したのが悪かったのか、鳴海くんは今にも泣きそうな顔をしている。



なにこれ。ワンコみたい......

雨の中ご主人様を待ってるような...ワンコ。