「んじゃあーこれから席替えするぞー」



何気ない日常。

何気なく発した担任の言葉。



ただの、席替え。



そんな私が隣になったのは。



可愛いことで有名な、鳴海くんだった。



クジで決まった席。



「うわっ。超無理なんだけどぉ!」



なのに、隣の鳴海くんは私を見て、明らかに顔を歪めてる。



小柄な鳴海くんが私を睨んだって、恐怖なんて微塵たりとも感じない。

そもそも、そんなに嫌がられるほど、私貴方と接点ないんですが。



「こら鳴海。そんなこと言うなーー。気持ちは分かるが北山が可愛そうだぞー」



いやいやいや。まてまてまて!

気持ちは分かるってなに!?



「そうやって言ってる先生も酷いから!」



私が担任に向かって言葉を返せばクラスで笑いが起こる。



「もう1回席替えしたいんだけどーー」



隣の鳴海くんは相変わらず不満そうに頰っぺをぷくぅっと膨らませている。



なんなのコイツ。

自分の可愛い要素を前面に押し出してきやがる!!