「どうせ、怒鳴られるだけ…なので」

「大丈夫。帰りなさい」

「なに…が。大丈夫なんですか?」

全然

「君のお父さんは君のことを思ってよ」

そんなの

「だから…」

大丈夫じゃない

「はあ。はい」

私の帰らない根気良さに疲れたのか名刺を渡される。

そこには

「臨床心理士

東 叶翔」

と書かれていた。

あ…〝あずま〟って〝東〟って書くんだ。

へえ…と思っていると。

「帰った方がいいよ」

「…分かりました」

そうして、私は渋々帰った。

そしたら、父は家におらずラッキーと思った私だった。