涙を拭くあたしの前で、お父さんが頷いていた。

今の蒼は、お父さんにとって非の打ち所がないらしい。

そこまでお父さんを頷かせてしまう蒼はすごいと思う。





「また、その時が来たら改めてご挨拶に伺います。

だから……よろしくお願いします!」




蒼は丁寧に頭を下げる。

そんな完璧な蒼に返す言葉もなく、お父さんは頷きながら黙っていた。







蒼の言う通り、いつかは蒼と結婚したい。

蒼は何も考えていないと思っていたけど、ちゃんと考えてくれていたことがこの上なく嬉しい。

やっぱり好きだ、大好きだ。

蒼じゃなきゃ、駄目だ。





蒼、これからもよろしくね。

たくさん思い出を作って、家族になろうね。