ダンテはスマートフォンを操作した後、削除したことを知らせるメッセージが表示された画面を3人に向けた。

それを確認した3人は、ダンテを睨みつけた後、その場をさっさと立ち去った。

2人はいったんその場を離れ、外に出た。
手入れの行き届いた庭には誰もいない。

「たく、何のための御供なんだよ」

ダンテが肩を竦めた。

「場所が場所ですから大事になることはないでしょうし、相手は一般人でしたからどうとでも出来ると思いまして」

それに、何かお話があったようですし、とエレンは言った。
その言葉に、ダンテは苦い顔をした。

「気づいてたのかよ」
「気づかない方がどうかと」

そう言い、エレンは肩を竦めた。

「あいつ、お前の相棒候補なのか?」
「えぇ、まぁ」

エレンは一拍置いて「しかし」と続ける。

「今回で最後です。彼に、この仕事は向いていない。能力はあるのでしょうが、それ故に自分の力を過信している。今回お爺様達が彼を私に付けたのは鼻っ柱を折るため、というのもあったのでしょうね。本人達には確認してはいませんが」
「厳しいこって。鼻っ柱へし折ったら案外使える奴になるかもしれないぜ?」
「そうかもしれませんが、やはり私は、彼を信頼できない」

そう言った後、エレンは苦笑した。