ダンテは煙の中に突っ込んだ。
そのまま煙の中を走り抜けようとしたとき、煙の中から何かが出てきた。
咄嗟に避けた為に当たりはしなかったが、今度は別方向から何かが迫る。
それも寸でのところでそれを避けた。

煙が晴れていくと、煙の中から黒髪の少年と少女が姿を現した。
少年は脚鎧に厚底の鉄靴、少女は巨大なガントレットを装備している。
眼鏡をかけた金髪の少女は1人離れたところに立っており、動く気配はない。

「うへ、なんつうもんつけてやがる」

危ないな、とダンテは渋い顔をした。

「小型とは言え爆弾を使うとは、酷いことをするんだな」
「正々堂々なんていうのは性に合わないんでね」

少年の言葉に、ダンテが肩を竦めて答える。

「それは、貴方の言う正しさには反しないんですか?」

少女が尋ねてきた。

「心配無用ってね。寧ろ、この方法を捻じ曲げるようが正しくないんでね」

そう言い、ダンテは何かを投げた。
それは床に落ちると同時に爆ぜたが、先程ほどの威力はない。
だが、あたりは白く濃い煙に覆われる。

ダンテは音を立てずに移動し、2人の背後を取る。
2人はまだダンテのほうには気づいていない。
ダンテが腰のホルスターからサイレンサーをつけた銃を抜き、構えた。
そして引き金を引いた。
と、同時に少年が跳んだ。
大した助走もつけていないのに高く跳んだ少年は、ダンテに向かって踵落としを仕掛ける。