EGOIST

「よろしく頼めるかい？」
「………分かりました。その依頼、お受けします。そういえば、その子供達を連れてきたという女性は？」
「2人を置いてすぐに行ってしまったよ。その時対応したのは残念ながら私だけでね、姿は分からない」

そう言い、コンスタントは肩をすくめた。

「そうですか。何か気が付いたことはありませんでしたが？」
「そうだね………声の感じからして20代前半の女性。雰囲気からしておそらく裏側の人間だけど、そちら側に行って長くはないんじゃないかな。香水はあまり高い物ではなく、化粧の匂いもあまりしない。だけどヒールは履いてたようだね。もしかしたらどこかの小規模な組織の娼婦かもね」
「相変わらず、視覚以外での情報量が膨大ですね」
「目が見えないと、他の部分でそれを補おうとするものだからね。大したことないさ」

コンスタントはカラリと笑った。

「話が聞ければとは思いましたが、無理そうですね」

ふとエレンが息をつく。

「余裕があれば、彼女のことも探してみてくれるかい？」
「一応、手がかりでもあるので探してみるつもりではいますが」
「子供たちを助けてくれた人だ。できることならもう一度彼女に会って彼らを助けてくれたことに直接感謝がしたくてね」

そういう事なら、とエレンは了承した。
約束はできかねると付け加えて。