悠里が出ていった日、家の中は暗かった。




使用人と仲良かった悠里が居なくなったことで使用人たちはとても落ち込んでいたし、最後に見せた悠里の顔を母様も父様も衝撃的すぎて何も言えなくなってた。







そんな日々がしばらく続いてた。






だけど、ある日。





母「綾奈、今日はパーティーがあるわ。
このドレスなんてどう?
とても綺麗よね。

綾奈も前に言ってたじゃない‼︎
このドレス綺麗で好きって‼︎」






「ぇ……?」





そのドレスは悠里の。




悠里がずっと次期社長だったからパーティーにもよく出席してた。



で、あれは私が悠里のために買ってあげた最初で最後になった10歳の時の誕生日プレゼント……。




なんで、ここに?




悠里がいなくなったあの日私がアレだけは捨てられないように隠して置いたのに。






「母様……それは悠里のドレス。
それに、それをどこで見つけたの?」





母「悠里?
誰それ?
綾奈の友達にそんな子いたかしら?


このドレスは二階の一番端の部屋の金庫の中にあったわ。
に、してもなんであんな場所にドレスがあったのかしらね。
綾奈のドレスを隠す人がいるなんて……」