「海斗さん、大事な話して?」
海斗さんは、まえを向いたまま
「紗姫久しぶり振りに、デートしないか?」
「デート?したい。したい。でも、来週はいよいよ入試だから、勉強もした。」
「紗姫。たまには息抜きも大事。てか最近全然、紗姫に構ってやれなかったから、俺が紗姫不足。」
赤信号で車が停まると、私を見てニッコリと笑う。
私も最近海斗さん不足で、ガス欠寸前。
「海斗さん海行きたい。海。」
「了解。」
今日の行き先は海に決定。海斗さんは海に向けて、車を走らせる。
海に着くまで、私達は会えなかった間の話を沢山した。会えなかった時間を埋めるかのように。

