その時 「紗姫。泣くな!!」 その声と同時に、後ろから抱きしめられた。 海斗さんの声に良く似た声で。 「紗姫、泣くな。俺が側におるけん。」 後ろから聞こえる声に一瞬海斗さんと勘違いを起こして、抱きつきそになった。その時…。 ふわ~っと香る匂いに私は現実に戻る。 違う!!海斗さんじゃない! 私を呼ぶ声も、温もりも匂いも全部違う!! 「ゴメン。幸人離して。」