自分の家は小さな店を経営している。 元々は父と母の2人だったが、父は去年他界した。 母は父との思い出の店を残しておきたかったらしく、僕と姉の2人で無理するなと言っても 「店にいる時が一番落ち着くのよ」 と言って聞かなかった。 確かに店にいる時の母は一番いきいきしている。 なんてことを考えながら電車に揺られていた。 ふいにラベンダーの匂いが僕の鼻をつついた