「あの…同じクラス、ですよね?」

今日は入学式だ。

体育館に並ぶイスに座ると、隣に座っていた女の子が声をかけてきた。


黒髪のショートボブで、ほっぺがほんのりと赤い。頑張って話しかけました、と言う感じだ。


「うん、多分そう。」


うなずくと、ぱぁっと顔が明るくなった。


「よかったぁ!よろしくお願いします!私、神里 奏音(かみさと かのん)と言います!」


ただようほんわかオーラ。


「あ、よろしく…。宮川 理涼(みやかわ りすず)です。」


「理涼ちゃん!仲良くしてくださいね!私、その…お友達がまだいないので…。」


そう言って、恥ずかしそうにうつむく。


なんか、純粋そうな子、だな。