中学4年生。

「またそんな適当なことをっ!」


「まぁまぁ、奏音。いーじゃん、部活くらい。ここでは、3年間、高校生活をやって行くんでしょ?まだ時間は、たくさんあるんだしさ。」


私がなだめると、彼女は少し大人しくなった。でもまだやるせない表情。


「私が、蛍翔君と同じ部活に入る意味は、ありません!私は他の部活を探します。」


奏音はむくれた顔のまま、カバンを手に取って、部室を出て行った。


奏音が帰るのなら、私も今日は帰ろうかなと思って立ち上がると、彼が口を開いた。


「なぁ。」


思わず反射的に振り返ると、彼は続けた。



「片想いなんか、何が楽しいんだ?」



そんなことを言っておきながら、彼は視線をカメラに落としたまま。


私は何だか、そのたった一言で、泣きそうになって、でもなんか悔しくて、怒りも湧いてきて、頭の中がぐちゃぐちゃになった。


「片想いなんか…って、私だって、好きで辛い思いしてるわけじゃないよ?」


「じゃあ、やめちまえばいいのに。」


そのぶっきらぼうな言い方が、何故か癪に触った。