「そーだね。ありがと。でも、なんか意外。」


「え、意外、ですか…?」


「奏音も、ちゃんと恋してるんだね!」


そう言った途端、ぼわっと顔が赤く染まった。


「な、なななな何言ってるんですか!こ、これは、受け売りです!ほ、本で読んだんですよ!!」


まるで、どこかの少女漫画ぶりに照れている。


分かりやすいなぁ。


本で読んだにしても、その言葉に共感したから、ちゃんと覚えてるんでしょう?



「やっぱり、奏音って面白いね。」


「お、面白くないですよ!もぉー、理涼ちゃん!!」


と言いつつも、顔が赤いまま。


「じゃあー、とりあえず…写真部から行こっか?ここから近いし。」


「はい…。」


しずしずと付いてくる彼女が、まるで小さい子供のように思えて、可愛いかった。