「どっかにいい男いないかな?」
「金持ちで、イケメンで、将来有望な男希望ー!」
「あと、セックスが上手い人ね」
「ヤバイ!マジでそこ重要」


今日はサークルの女子を数人集めて、ちょっと洒落た居酒屋で女子会。
女同士で集まると、話題は尽きない。というか、同じような話が堂々巡りしてる。
そのほとんどが、ゲスい話ばっかりで、到底男どもには聞かせられない。

「あの先輩、良いと思ったんだけど、ヤってみたらモノが小さくてさー」
「まじで?どんぐらい?」

これより小さい、と親指を突き立てて、不服そうな顔をする友人に、他の友人は大爆笑。

親指にも満たないなんて。
思わず私も吹き出す。


「入ってるかどうかもわかんなくなくない?」
「うん、感じてる演技するのも大変だった。興ざめだよね」

まあそんな話でずっと笑ってる。
酔っ払ってるこの時間は何だか最高に楽しい気がする。

どうしようもない気分を発散させるには、酒の力を借りるのが1番手っ取り早いんだ。

「ってかさ、優梨、終電大丈夫?」
「うわ、もうこんな時間?終電ないや」

あぁ、時間をすっかり忘れていた。
私は実家暮らしで、ここから家までは一時間半はかかる。

友人達は大抵近所で一人暮らししていたり、彼氏の家に泊まったりと、時計を気にしないような子ばかりで、私もその感覚で飲み続けてしまっていた。


まあ、いいか。


親切な友人の「うち泊まる?」という申し出を断って「彼氏ん家戻るし大丈夫」と答えた。

どうせ明日は土曜日だし。

またあのセックスと酒と煙草で満ちた、不健全な部屋に帰って、泥まみれみたいな、どうしようもない1日を過ごせばいい。

そんなことを酔っ払った頭で考えていた。