のんびりと歩いていると、学校付近の交差点に来ていた。


行く場所は決めていなかったけれど、足は自然と学校へ向いていたようだ。


毎日の習慣が染みついている証拠だ。


そう思い、1人で小さく笑った。


その時だった。


いつかここで荷物を持ってあげたお婆さんがいることに気が付いた。


今日も両手に4つの買い物袋を提げていて、ゆっくりと歩いている。


あたしは迷わずお婆さんに駆け寄った。


「こんにちは」


あたしの声にお婆さんが顔を上げる。


そしてニッコリとほほ笑んだ。


「あら、あなたはこの前の?」


「はい、そうです。今日も荷物が多いですね」