ううん。


そんなに弱気になってちゃダメだ。


あたしは自分自身にそう言い聞かせ、信号待ちの最中に胸を張ってみた。


あたしは1度死んだんだ。


なにも怯えることなんてない。


陰口だって、今までも散々言われて来た事だ。


あまり自慢できることでもないけれど、美鈴たちの言葉には一理ある。


いつだって輪の中にいながらも、本気で人付き合いをしてこなかったのはこのあたしだ。


ここにきて、そのツケが回ってきているのだ。


死ぬ前に真っ白に戻すのも悪くない。


そう考えてみると、少しだけ元気が出た。


1人で教室まで歩いて行くと、いつものメンバーが先に来ていた。


一瞬足元が重たくなる。


何か言われるだろうかと警戒しながら教室へ一歩足を踏み入れた。