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カラオケに行きたくないという気持ちが顔に出ていたんだろうか。


あたしは1人で帰りながら自分の頬に触れた。


今日はたくさん笑顔を浮かべたから、頬の筋肉が痛む。


そう考えて、いつもほとんど笑っていないことに気が付いた。


そんなあたしはみんなから見たらどう見えているだろうか?


やっぱり、カラオケくらい付き合った方がよかったのかな。


少し後悔しかけた時だった。


前方に美鈴たちの背中が見えたのだ。


どこかへ立ち寄っていたのか、彼女たちの手には買い物袋が見える。


今からでも仲間に入れてもらおうか。


みんなといれば『幸せポイント』がもっと集まるかもしれない。


そう思い、歩調を早める。


「美鈴」


名前を呼び、手を伸ばした。


その時だった。