一対一ならまだよかったのに、人が増えるにつれて言葉は意味を失い、あたしの耳からすり抜けて行ってしまう。


だからあたしは適当に笑い、適当に相槌をうち、適当な人間関係を築いていく。


やがて言葉は騒音に代わり、ひどいメマイを感じさせるようになってくるのだ。


あたしはどうにか輪の中から抜け出して自分の机へと非難した。


どうしてみんな毎日毎日あんなにもおしゃべりが尽きないのだろうと、とても不思議に感じられる。


だって、あたしたち学生の居場所は学校だ。


その他の場所もあるけれど、その大半を学校で過ごしている。


同じ時間を共有しているのだから、話題だって同じであるはずだ。


そうなれば、自然と会話は途切れがちになるはずだった。


そうならないのはどうしてなんだろうと、本当に不思議だった。


自分の席に座るとようやく安心することができた。


荷物を片づけ、先生が教室へ入ってくるまでは1人でのんびりする時間だ。