久志は必死で美鈴にしがみ付き、そのスマホを奪い取ったのだそうだ。


『元々あいつらは無関係だったはずだ。やるなら僕をやれ』


久志は正面切ってそう言った。


今まで反抗することなんてなかった久志の態度に、正樹は激怒した。


最近のお前は2人の女に守られて、少し調子に乗ってんじゃねぇか?


お望み通りやってやるよ。


正樹たちは久志を再び痛めつけ始めた。


久志は何度か意識を飛ばしそうになりながらも、満足していた。


どうだ、僕はあの2人を守ったんだぞ。


お前ら、悔しいんだろ。


だからこんなにも僕を攻撃しているんだろう。


そう思うとおかしくて、自然と笑顔になっていた。