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ドアをノックする音で目が覚めた。


ぼんやりとした意識の中目を開けると、部屋の中にお母さんがいた。


「体調はどうなの?」


そう聞くお母さんはなぜか仁王立ちしている。


怒っているのか、その声も少し低かった。


「えっと……。うん、もう、大丈夫」


あたしはおずおずとそう返事をした。


するとお母さんは突然掛布団をはぎ取ったのだ。


「ちょっと、なにするの!?」


体を隠していたものがなくなり、恥ずかしさと共に驚きの声を上げ、上半身を勢いよく起こした。


「体調が悪いなんて、どうせ嘘なんでしょ?」


あたしの布団をはぎ取ったお母さんが鋭くそう聞いて来た。


あたしはグッと喉に言葉を詰まらせてしまう。


答えられないのは肯定と同じだ。


だけど、なにも言えなかった。