あたしは唖然とした状態のまま、早苗の背中に自分の両腕を回した。


早苗の体は嗚咽で小さく震えている。


「蘭に……友達になにかがあったら、あたしはどうすればいいの!」


そう言われて、あたしは初めて気が付いた。


あたしにはこんなに素晴らしい友達がいて、心底あたしの事を好きでいてくれて、そして心配もしてくれているのだと。


でも……もう、遅いよ。


あたし、自殺しちゃったんだもん。


心の中でそう思うと、胸が張り裂けてしまいそうな痛みを感じた。


やってしまった出来事を戻す事はできない。


あたしは今まで通り、『幸せポイント』をためていく事しかできないんだ。


「ごめんね、早苗……」


悲痛な思いで謝罪するしか、今のあたしにできることはなかったんだ。