「学校でもきっと同じ目に遭う」


「それなら教室に行かなきゃいいじゃん。そうだ、屋上へ行こうよ! 外についてる非常階段から登れるでしょ」


あたしの提案に久志は目を丸くした。


イジメっ子が2人で屋上へ行くなんて、そんな発想なはかったに違いない。


「でも、非常階段には鍵がついてる」


「もう、ああ言えばこう言うんだから。そんなの行ってみなきゃわかんないでしょ」


屋上へ出られなかったとしても、とにかく学校へ行くんだ。


このままじゃ久志は出席日数が足りずに留年してしまうかもしれない。


イジメっ子の奴らが進級して久志が留年するなんて、そんなことは許さない。


あたしは嫌がる久志の体を無理やり引きずるようにして、学校へと向かったのだった。