秋らしい涼しい風が吹き、長袖で1日を過ごすようになった。 「歌織、来週の日曜日空けておきなさい」 10月の終わりの家族揃っての夕食中、父の言葉に少し驚いた。 「大丈夫ですけど、何?」 「とりあえず朝から出かけるから」 何か、変な感じ。 「分かった」 深く考えるのはやめた。 ハッキリした予定を言わないからそれについて話すこともなく、母のたわいもない話に相槌を打って食事を終えた。