「ここは?」 一階のドアを指差して聞いた。 確か洋室だった? フッと笑って優人さんがドアを開けるとグランドピアノが見えた。 え? と私の足が止まった。 奥を覗くと部屋の半分に畳が敷いてあり、箏も置いてある。 キレイな装飾の本棚には、いくつか楽譜もある。 「………これって?」 「驚いてくれた?」 頷いて優人さんを見た。 「やっぱり必要だろ?」