「そんなの明日にしなさいよ!今行動しないで、いつするの!!」

クールな由紀ちゃんからの初めての強い押しに、思わず体ごと後ろに下がってしまって背もたれが音を立てた。

「ちょっ、ちょっと。由紀、どうしたのよ。いつもは私がけしかけるの止める方なのに」

私同様、驚いたひよりちゃんがストップをかけてくれた。

「‥‥ごめん。ちょっと知ってる人の事思い出したのよ。責任ある立場の人は自分の言葉の重さを知ってるから、軽々しい事は言わない。でも理一君、昨夜、口に出してたから」

「ね、さっきから言ってるの何?理一君は何を急ぐって言ったの?」

私の問いかけに、二人は顔を見合わせて困ったようにうなずきあう。

「ごめんね。でもこれは私達から言う事じゃないの。でも、柚珠奈に行動して欲しいのは私も由紀もおんなじ気持ちだよ。昨夜の事がきっかけになって色んな事が動き出すと思うから」

真っ直ぐ私を見つめて言うひよりちゃんも由紀ちゃんも、見た事がないくらいに真剣な表情だ。私の事を心から心配してくれてるのが分かる。